「未完の聖堂」というロマンを放ちながらバルセロナの発展を見守り、時には訪れる人の人生を狂わせるほどに魅了してきたサグラダ・ファミリア
結局、いつ完成するのか?実ははっきりと明言はされていませんが、おおよその建設予定が立っています
完成予定を見つつ、その歴史と尽きることのない魅力を見ていきましょう!
2026年完成!…の予定だったが、2034年完成予想に延期
長年、サグラダ・ファミリア完成の目標とされてきたのは、ガウディ没後100年にあたる2026年です
しかし、未曽有の新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2026年の完成は難しくなってしまいました
感染症へのロックダウンにともなう建設の一時中断だけでなく、資金調達の遅れや、資材の調達難など複合的な要因により、最終的な完成は2034年と見込まれています
サグラダ・ファミリアは観光客の入館料と献金のみを収入源としています
そのため、ロックダウンによる観光客の大幅減少は、収入減に直結し、建設を続けることが難しくなってしまったのです
2026年は、ガウディイヤー!「イエスの塔」が完成予定
しかし、ガウディ没後100年として、ガウディの作品を保存・広報・促進するガウディ評議会は、
2026年を「ガウディ年」として、記念すべき年に制定しました
記念事業を推進することを発表し、ガウディの建築を広めるためにさまざまなイベントが企画されています
2026年に訪問予定の方はぜひイベントをチェックしてみてください!
そして、記念すべき年を前に、2025年末までにサグラダ・ファミリアのメインにあたる十字架を頂く中央塔、「イエス・キリストの塔」が完成予定と発表されています

⇧ サグラダ・ファミリア公式HPで、イエスの塔完成予想図が見られます!
このイエスの塔は現在の計画で高さ172.5mとなる予定で、完成すればサグラダ・ファミリアは最も高い宗教建築になります
(現在、世界一の高さをもつ宗教建築はドイツのウルム大聖堂)
また、イエスの塔の十字架部分には展望台が内蔵されます!
スペインの絶景が一望できる新たな観光スポットとなりますね☻
サグラダ・ファミリアの工事の歴史
サグラダ・ファミリアのこれまでの140年を、年表で見ていきましょう!
- 1874サグラダ・ファミリアの建設が提案される
貧しい人々のための大聖堂として提案された
- 1882着工
初代建築家はフランシスコ・デ・パウラ・デル・ビリャ
- 1883.11ガウディ就任
二代目の主任建築家としてガウディ就任
実はガウディは、サグラダ・ファミリア主任建築家二代目
- 1893
(-1935)降誕のファサード着工1925年に正面最初の塔(バルナバ)が完成
ガウディが生前、唯一目にできた塔
- 1926.6.10ガウディ逝去
ミサに向かう途中、ガウディは路面電車にはねられてしまう。物乞いのような質素な服装だったため、老人がガウディだと気づかれなかった。しかし、葬式には1.5kmもの列ができるほど、ガウディは人々に愛されていた
- 1936.7スペイン内戦がおこる
設計図や模型、写真などあらゆる資料が焼失
- 1954受難のファサード着工
- 1976受難のファサード、4基の完成
この後マリアの塔完成まで、45年もの間、尖塔は完成しなかった
- 1990年代観光客増加により財政が安定
- 2005ユネスコ世界文化遺産「アントニ・ガウディの作品群」に追加
- 2021マリアの塔完成
- 2023福音書作家の4塔完成
まとめ│未完の聖堂の魅力
腕の欠けたミロのヴィーナスが魅了的なように、「完全でないこと」が人々を惹きつけます
サグラダ・ファミリアも、クレーンやネットに囲まれ、明らかに未完の建築物です
未完であることがそこに積み重なった歴史と人々の思いを想起させます
過去に思いを馳せながら、完成を待つ過程を味わえるのも、サグラダ・ファミリアの醍醐味といえるでしょう

2026年と2034年は、サグラダ・ファミリアの大きな節目になることは間違いありませんが、その後も装飾や過去に造られた箇所の修復工事は続けられるそうです
ぜひスペイン旅行に訪れたら、サグラダ・ファミリアに足を運んでみてください!
目に見える壮大で神聖な聖堂と、この建築に携わってきた多くの人々の歴史を感じられます
よい旅を~☻
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